メキシコ
1992
マヤの精霊とともに
メキシコシティーに住む日本の友人から友人のマンションが数ヶ月間空くから絵を描きに来たらと言われる。秋に個展が計画されていたのでちょうどいいなと思ってそれではやっかいになりますと答えておく。バンクーバー出発の4週間前になって都合の悪くなったマンション主がキャンセルしてきた。はてどうしようと色々考えをめぐらす。まあとにかくサン・クリストバル・デ・ラス・カサスのレジデンシーに申請書類を送付する。当時JALはバンクーバー、メキシコシティーのプロモーションをやっていてホテル日光メキシコでの一泊クーポンがもらえた。
1992年4月に4週間過ごしたビスタ・エルモーサにある一軒家の正面玄関
この高級ホテルから出て旧市街のホテル・モンテカルロに移り、ギャラリーめぐりを数日間行う。メキシコ到着1週間後の3月12日朝、南メキシコのサン・クリストバル・デ・ラス・カサスに到着。いろんな人を通してたどり着いた先がタラベラ家が持つ田舎の一軒家で4月1日から入居することにして18日間の旅に出る。グアテマラ、ベリーゼとまわって4月3日にビスタ・エルモーサにある家に入居する。近くのマヤ族の店には魚の缶詰しかないので食料買い出しにサン・クリストバル・デ・ラス・カサスへ行かなきゃならなかった。鼻風邪や腹がつっぱったり、夜何に刺されたか首と顔に赤い跡がいっぱいできて痒かった。友人とハイキングに行ってハチに刺された。日蓮宗のコロンブス大行進という登りを持って30人くらいが家の前を通った。 グアテマラ国境近くにあるモンテベリョ湖で蛍の乱舞に感動する。しかし帰りに国境警備隊にパスポート不携帯で捕まりグアテマラ人たちとコンクリート部屋に入れられる。 こんな経験の中でなんとか5枚の絵を描いた。絵は家と土地にいる虫と自分との戰のようなものが出来上がった。
ビスタ・エルモーサでの制作風景
5月になってサン・クリストバル・デ・ラス・カサスの市場の近くにあるあるタラベラ家に引っ越す。家賃は1ヶ月US$500で2部屋。週一回家族みんなの分も料理をする契約。洗濯、掃除はマヤ人の家政婦がやってくれるのでらくちん。昼食がメインだから時々タラベラ家が経営するレストランで家族とともに食べた。 生活が落ち着いたので制作の方もだんだん進み始めた。 これはいいぞと思って庭で絵を描いたら日射病になってしまった。夜身体が冷えてベットに入っても何時間も温まらないのはつらかった。この家に移ってからは17枚の90 x 180 cmの紙に水彩画を描いた。
天気の良い日はバルコニーで絵を描いた
サン・クリストバル・デ・ラス・カサスのお家とマヤ人の家政婦
登場してくるのはタラベラ家に訪ねてくる客、大工、猫、犬たち、庭の花々、エドワルド氏、彼の息子たち、市場の果物、魚など。これらの題材は無意識のうちに出てきたものばかりである。白い紙をその隅から水彩の色で剥がすように描いていくと隠された姿がだんだん出てくるといった風だった。7月初旬には持って来た紙は全て描ききった。中旬よりユカタン半島のメリダ経由でキューバへ2週間の予定で出かけた。キューバ人は黒人と白人とその混血の人たちが住んでいてメキシコとは趣を異としていた。物も食料も不足していたが、人間は親切で気持ちの良い国民性で率直に付き合うことができた。キューバには良い画材はないけれどアーティストたちはその無いところで作るすごみのある芸術を作っていた。何にもなくても素晴らしい芸術を作ることができるんだと教えてくれた。
タラベラ家の隣にある小さな家を借りた。一つの部屋はベットルームでもう一つはアトリエ
プロジェクト
(2) Avenida Cinco de Mayo, 1992, water colour and crayon, 38″ x 38″
(3) Vista Hermosa Abril, 1992, water colour and crayon, 38″ x 38″
(4) Vista Hermosa, 1992, water colour and crayon, 38″ x 72 7/8″
(5-20) (5) El viaje de Mayo (6) Ojo de Agua, (7) Cuxtitali (8) La galeria de Maya (9) Nana, Tzucum y Grace (10) La familia de Talavera (11) Na Balon (12) Olmecs (13) El señor Eduardo Talavera (14) Olmeca nueva (15) Shiyabu (16) Doña Darya (17) Callejon Canada 2 (18) Felipe, el gato y el hombre purpura (19) Tzucum y Nana (20) Eduardo y la tumba del gato (21) Tapalapa ,1992, water colour and crayon, 72 7/8″ x 38″
旅のルート
https://freevectormaps.com/mexico/MX-EPS-02-0001?ref=atr
ルート1:サン・クリストバル・デ・ラス・カサス>パレンケ>ラ・パルマ>エル・ナランハ(グアテマラ)>フローレス(グアテマラ)>プエルト・バリオス(グアテマラ)>プンタ・ゴルダ(べリーズ)>べリーズシティ(べリーズ)>キー・カーカー(べリーズ)>チェトゥマル>パレンケ>ミソル・ア>サン・クリストバル・デ・ラス・カサス
ルート2:サン・クリストバル・デ・ラス・カサス>パレンケ>メリダ>ハバナ(キューバ)
作品
版画
絵画
墨絵
ファブリック
インスタレーション
ドローイング
アートと旅
インド 1997
メキシコ 1992
カナダ 2004
1000日のプラン
ミャンマー 2012 & 2019
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